2017年9月2日土曜日

日本の建築について

大学であまり好きではなかった先生がよく「厳島神社」のことを語っていた。その教えをあまり理解しなかったが。以下、私の考えである。
厳島神社は千年以上前から存在している。厳島神社はなぜ、維持されてきたのか。海上ということで、しばしば、風水害で破壊されている。その都度、修復されている。
あの辺りの支配者はときどき交替しており、あまり強くなかった。厳島神社は通常、地域の住民に開放されている。庶民の信仰と娯楽の場となっている。庶民が厳島神社を愛しているからであろう。
神社の意匠が愛されるものであった。政治家も庶民が厳島神社を愛していることを理解しているのだろう。だから、海風に破壊される度に、直されてきた。
ところで、明治期以降、近代の庁舎、公会堂、学校等の風格有る建築物が建てられた。どれも素晴らしい建築であったと私は思う。ところが、いずれも維持されず、悉く取り壊された。なぜか。
一つは、戦後の世代が古いものを嫌う傾向が有った。もう一つは、農耕民族であった日本人は贅沢や無駄を嫌っている。近代の公共建築は愛されなかったのだろう。
最近の公共建築を見てほしい。豪華さや無駄が排除されている。どれも魅力が無い。オフィスビルやマンションも魅力無い。意匠が凝らされるのは、金持ちの個人住宅や自社ビルだけである。魅力有る公共建築は当面現れないのであろう。

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